【ある中学生の手紙】
韓国の企業で平凡な一社員として働いている私にも、時たま日本人ならではの仕事がまわってくることが有ります。それが翻訳なのですが、やはりいつもは契約書とかビジネス系のものが主流です。しかし今回はめずらしく、ある中学生の手紙の翻訳がまわってきました。
以下がその文面です。
→ アンニョンハセヨ。●●中学校3年の コ ジンス です。10/12明洞で皆さんと最後のお別れをしたんですが・・・・覚えてくれてますよね?
7月に★★中学校を訪ねた時にはとっても素晴らしい体験をさせてもらいました。その時僕は、そういう機会を与えられたことに対する感謝や有難さ、そしてお別れしなければならない寂しさに思わず涙をこぼしてしまいました。周りのみんなからは
『お前、柄にもなく涙なんて...』
と言われてしまいましたが、どうしても我慢することができませんでした。
前回お別れした時は 『10月には韓国でまた会えるから・・・。』
という気持ちがあったのですが、今回は
『いつかまた会える日が来るに違いない。』
と信じたい気持ちで皆さんをお見送りしました。皆さんが出発した後、僕以外の多くの友達たちも涙を流していましたよ。僕とチュニョイ、ウヒョニは学校でお別れした後、もう一度皆さんと合流して別れを惜しませてもらいましたよね。
今、韓国は雨が降っています。皆さんの旅行があと2日も残っているに・・・・ちょっと心配になりますね。澄み切った韓国の秋晴れを見せてあげたかったのに・・・・でも、もしかして見ることが出来たかな?韓国の秋晴れの空を・・・もしかしたら土曜日あたりに見れたかな?なんて思っています。
それからまた、皆さんにはちょっと申し訳なかったな・・・・とも思っています。もっと色々よくしてあげられたんじゃなかったかな・・・とか、もっと仲良くなれた筈なのに・・・・とか、悔やまれることがいっぱいです。
あ!そうそう。お別れする日の前の晩、僕や友達のスンボミは皆さんと集まってあそびましたよね?その時お互いに日本語で渾名を付け合ったけど。。。チカは『イカくん』でサエカは『イカちゃん』、ナルヨは『イカみ』、カオリは『イカこ』、そして僕は『イカぶー』って名付けてもらったんだけど、うーーーん。その意味が一体何なのかすごく気になってます。朝、カオリとナルヨに聞いてみたけど、『説明するのが難しい』って言われてしまって・・・・僕が日本語を一生懸命勉強して、いつか★★村を訪ねて行ったらその時は必ず教えてくださいね。
昨年、僕らの先輩達が交流している姿を見てとてもうらやましく思ったのですが、今年実際に体験してみて、想像していた通りに素敵な時間だったと思いました。お互いに言葉が上手く通じないため、ジェスチャーなんかも利用して意思の疎通を取ろうとして、結果いろんなハプニングが起きたりもしましたよね。
僕は親しい後輩達に必ずこう言うつもりです。
『来年の姉妹交流も絶対するべきだ。とってもいい経験になるぞ。』
って。
これからも★★中学校と●●中学校が友情を育んでいき、途切れることの無い交流が続いていくことを心の底から願いながら、そろそろペンを置こうかと思います。あまりにも素敵な時間だったせいか、ついつい長くなってしまいました.....。
僕は、皆さんと過ごした時間を決して忘れることはないでしょう。僕の今までの人生で一番素敵な思い出を作ることができたみたいで、とっても幸せです。
では、皆さん元気でいてくださいね。そしていつかまた会えるその日までお互い一生懸命頑張ろろうね!!Fighting!!ガンバッテネ!!
ではみなさん、アンニョンヒケセヨ(お元気で)。
― 実は先日、日本の★★村の★★中学の生徒たちが研修旅行で韓国を訪れた折に、ジンス君の通うソウルの●●中学校と交流会がもたれたのです。それが本当に楽しく感慨深かった模様のジンス君、熱く熱く、その感動を語ってくれています。
なんと丁寧な中学生なんだろ〜。それにしても、こんな手紙を書き、担任の先生→うちの会社(旅行会社)の担当部長→翻訳した私→★★中学の校長先生→★★中学の学年担任の先生という5人の大人を巻き込んでまでこの熱い思いをなんとしても伝えたい!と思うほど感動したのか?中学生とはいえさすが韓国男児やな、えらい情熱的やな。などと思いながら訳していきました。
そして、、、、最後のPS.の部分ですっきりしました、、、、、
PS.チカとサエカへ
この間渡した手紙で、冬休みにはきっと行くからねって書いたけど、どうやら行けそうにないんだ。。。でも、ほかの友達は多分行けるんじゃないかな?これからもお互いに連絡のやりとりを続けていこうね。何か用があれば(もちろん用がなくても)いつでも僕の携帯に電話してくれていいからね・・・・・。
そう!これは交流の手紙を装った、ジンスくんからチカちゃんとサエカちゃんへのラブレターだったのです!!しかもジンス君、チカちゃんとサエカちゃんのどっちが本命!?
どうりで部長が最初に
「ゆきえさん、もし忙しくなかったら手紙の翻訳頼んでもいいかな?中学生の手紙なんだけど、ただ内容がちょっと・・・。最近の中学生は感情が豊かだからね・・・フフフ」と意味深な笑いをした訳です。
実は原文はもーーーっと情熱的な文面だったのですが、そのまま訳すと日本の学校側がヘンな配慮をして、ジンス君の熱い思いが日の目を浴びないことも有りうるかと思ってサービス翻訳?してみました。
幼さ故えのそこはかとない淡い恋心。しかもそれを大人たちに見破られないように、一生懸命気をつけたと思われる文章(しかし実際には部長に翻訳を依頼した先生の段階で、ジンスの作戦は既にバレバレだったそうです。先生が苦笑しながら頼んでこられたとか・・・。)
なんだか可愛いでしょ?
全文読んでから翻訳してたら、そしてジンスがもっと大人だったら、多分私は無駄な労力を使うことなく、最後のPS.の部分だけを原文に忠実に訳して日本に送っていたでしょう。(笑)
Dec.2003 written by ゆきえ